進捗状況をちょくちょくお知らせしている温泉宿の浴衣復刻プロジェクトですが、7軒の旅館さんの手ぬぐいデザインが完成しました!既に浴衣があるのに、デザイン?と思われる方もいるかもしれませんが、もともと浴衣のためにデザインされている柄を手ぬぐいにするためには、デザインを再構成する必要があります。

色味も、原案の浴衣を活かしつつ、7種類の手ぬぐいのバランスを考え、宿のご主人の人柄などから、デザイナーさんと相談しつつ決めていきました。
完成した7種のデザインデータを染物屋さんにお渡し、早速染めの段階に。このタイミングを見計らい、もりたびの事務局とデザイナーさんとで染物屋さんを見学してきました。

京屋さんの工場

染め物屋さんは、鳴子と同じ伊達藩だった岩手県一関市にあります。古くからの城下町で、お店の隣には公園という名の日本庭園がありました。一関から鳴子に湯治にいらっしゃるお客様も多く、昔からご縁のある地域です。
幼稚園の隣にある小さな染め物工場からは、蒸気が出ていますが変な臭いなどは一切ありません。

中に足を踏み入れると、、、じゃーん!一反=12mの長さの布が工場の端から端まで広げられており、その布には
依頼していたデザインが染められていました!
感動と興奮が体中を駆け回るような感覚で、写真を撮ったり、職人さんに質問したり、しばし工場を動き回りました。
デザインをおこす際、デザイナーさんと染め物屋さんで何度もやり取りを繰り返したのですが、一つは、滲みを考慮したデザインにするという点。こちらは、染めると滲んで旅館名の漢字がつぶれてしまうので、このくらいの文字の大きさにした方がよい、というような点でした。


もう一つが、「つなぎ目」についてです。一つ約90センチの長さの型を一反の布に連続して染めていく際に、つなぎ目が出てしまうので、つなぎ目のわかりにくいデザインにしてほしいということでやり取りをしていたのですが、工場見学に来てようやく意味を完全に理解できました。

直線だと白い線が横に一本出てしまうところを、このように型を作ることで最小限のつなぎ目になるのですね!なるほど。

糊に染料を混ぜたもので生地に色を付け、蒸気で蒸すことで布に色を定着させるのだそうです。排水は米のとぎ汁よりもきれいだということなど、以前の打ち合わせで聞いていたことを実際に見ることができました。
工場の二階にある縫製の現場も見せていただき、一つ一つ丁寧に商品化されていることがわかりました。
商品に対する想いが伝わってきて、これから完成する手ぬぐいにも益々愛着が生まれそうです。鳴子の商品として販売する際にも、この、染めのストーリーも含めてお届けできればと感じました。

また、この会社で働いている方は新卒の方が多く、平均年齢が34歳とのことで、職場にも若い方々のエネルギーが充満しているように感じました。


是非、鳴子温泉のこの7種類の手ぬぐいを作った宿にいつか泊まりに来てくださいね、とお伝えし、一関を後にしました。
もう間もなく、商品と対面できそうです!